はじめに
「居心地のいい家庭を作りたい」──そう願うのは、とても健全に見える思いです。
温かいご飯を家族で食べ、きれいに整った部屋でリラックスし、安心して過ごせる家庭。誰もが心のどこかで憧れる理想像でしょう。
けれども、この願いの裏側には、実は子ども心の声が隠れていることがあります。
表面上は健全に見えるその願いが、思わぬところで自分や家族を苦しめてしまうこともあるのです。
「居心地のいい家庭」に憧れる本心とは?
子ども心が思い描く「理想の家庭」は、こんなものかもしれません。
- 親がいつも家にいて、温かく迎えてくれる
- 親がいつもニコニコしている
- おやつや食事はいつも用意されている
- 掃除や洗濯はすでに済んでおり、手伝う必要がない
- 部屋は整っていて、好きなことを自由にできる
このような「何もしなくても居心地がいい家庭」は、子どもにとって天国のように思えるかもしれません。
しかし、もし本気でそのような家庭を望むとしたら、それは子ども心のわがままに基づいた理想像です。
そしてこの思考は、大人になってからも自分や家庭を苦しめる原因になってしまうのです。
子ども心のままでは危険な理由
「居心地のいい家庭とは与えられるもの」という思考を大人まで持ち越すと、親になったときに次のような思い込みにとらわれます。
- 子どもを居心地のよい状態にしてあげないと「自分は悪い親」だと感じてしまう
- 必要なときに叱れない(“ニコニコしていること”がいい家庭だと思い込むため)
- 家族が不満を言うと「自分が至らないせいだ」と責めてしまう
その結果、子どもを甘やかしてしまい、自立を妨げるだけでなく、親自身も「もっと頑張らなければ」と追い込まれて疲れ果ててしまいます。
つまり、「居心地のいい家庭=親が与えてくれるもの」という思考は、子どもにとっても親にとっても不健全な影響を与えてしまうのです。
家庭は「みんなでつくる」場所
本来、家庭は誰かが一方的に与える場ではありません。
居心地のいい家庭は、もらうものではなく、みんなでつくるものなのです。
親が役割を果たすように、子どももまた家庭の一員として協力者です。
料理を手伝ったり、掃除を分担したり、兄弟と協力したり。
自分のことは自分でやり、思いやりを持って行動する。
そうした小さな積み重ねが、家庭全体の安心感を育んでいきます。
思い出してみてください。
あなたは子どもの頃、家庭に協力していたでしょうか?
自分のやるべきことを自分でやっていたでしょうか?
親に言われなくてもやっていたでしょうか?
兄弟や家族に思いやりを持って接していたでしょうか?
もしかすると、あなたが親をイライラさせていたこともあったかもしれません。
それが夫婦喧嘩の一因になっていた可能性もあります。
本当は、あなたにも協力できたはずなのです。
でも、それをしてこなかったとしたら──「居心地のいい家庭を築きたい」という願いは、子ども心のままの思考だったのかもしれません。
「快適な家庭」とは、親が一人で背負って与えるものではありません。
家族それぞれが役割を果たすときにこそ、自然と居心地のよさが生まれるのです。
*子どもが家庭での役割を果たすことと、ビジネスとの関係については、こちらのブログを参考になさってください。
自分の役割に責任を持つということ ── フラクタル心理学と家庭経験から考える
子どもの頃の自分を振り返ってみる
ここで改めて、自分の子ども時代を振り返ってみましょう。
- 掃除や洗濯を手伝っていましたか?
- ご飯の準備や後片付けに協力しましたか?
- 自分のことを自分でやり、家族の手間を減らしていましたか?
- 家族に思いやりを持ち、感謝を言葉や態度で表していましたか?
もし答えが「いいえ」であれば、それに気づいた今がチャンスです。
フラクタル心理学の手法を使えば、子どもの頃にできていなかったことを、大人になった今から修正することができます。
自分の役割を果たし、家庭に協力し、思いやりを持って行動する。
そうすれば、居心地のよさは後からでも十分に取り戻せます。
まとめ
「居心地のいい家庭を作りたい」という願いは、一見すると健全に見えます。
しかしその本心が子ども心のわがままに基づいていると、家庭はうまくいかず、親も子も苦しんでしまいます。
家庭は誰かが一方的に背負うものではなく、家族みんなでつくるものです。
役割を果たし、協力し合うとき、自然と安心感と居心地のよさが育まれていきます。
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